川崎で「塾がない町」を探したら、ほとんど無かった——かわりに見つかった12倍の差
2026年7月21日 | データ: 令和3年経済センサス活動調査 町丁・大字別集計
夏期講習の申し込みシーズンです。「うちの近所には塾がなくて」という声を聞くことがありますが、それは本当なのか。開業チャンスマップを作るときに集計した、経済センサスの町丁別データで確かめてみました。対象は「その他の教育・学習支援業」——学習塾のほか、ピアノ・英会話・そろばんなどの習い事教室を含む分類で、川崎市内に1,649事業所あります。
結論:「歩いて行ける範囲に1軒もない」はほぼ起きていない
676の町丁目それぞれについて、徒歩圏(約1km)にこの分類の事業所が何軒あるかを数えると、1軒もない町丁はわずか9つ。しかもいずれも工業地帯や人口の少ない小さな町で、子育て世帯が厚い町で「教室ゼロ」の場所はありませんでした。少なくとも川崎市では、「近所に塾も教室もない」という意味での空白地帯は、データ上ほぼ存在しません。
かわりに見つかったのは、約12倍の「密度の差」
では体感の差はどこから来るのか。「徒歩圏の子育て層の厚み ÷ 教室の数」=1教室あたり何人の主要客層がいるかで見ると、町ごとの差がはっきり出ます。
| 町(区) | 1教室あたり | 徒歩圏の教室数 | |
|---|---|---|---|
| 教室が厚い | 上麻生三丁目(麻生区・新百合ヶ丘) | 148人 | 76軒 |
| 万福寺五丁目(麻生区・新百合ヶ丘) | 159人 | 68軒 | |
| 教室が薄い | 北見方二丁目(高津区) | 1,708人 | 9軒 |
| 池上新町三丁目(川崎区) | 1,791人 | 5軒 | |
| 江川二丁目(川崎区) | 1,805人 | 3軒 |
最も厚い新百合ヶ丘エリア(1教室あたり148人)と、最も薄い川崎区江川二丁目(1,805人)の差は約12倍。ちなみに徒歩圏の教室数がいちばん多いのは多摩区登戸の283軒でした。「教育の町・新百合ヶ丘」の評判や、登戸・武蔵小杉の駅前の教室銀座ぶりが、数字でも裏づけられた形です。
この数字の意味——立場によって読み方が変わる
- 保護者の目——どの町でも「通える教室」はまずあります。差が出るのは選択肢の数。厚い町では比較して選べ、薄い町では通える範囲の数軒から選ぶことになります
- 開業の目——狙い目は「空白」ではなく「薄い」ところ。川崎区の臨海部住宅地(江川・池上新町)や高津区の多摩川沿い(北見方)は、子育て層の厚みに対して教室が少ないエリアです
- まちの目——教室の密度は駅前・教育熱の高いエリアに集中し、住宅地の内側ほど薄くなる。これは昼型の町・夜型の町の構図とも重なります
数字の読み方の注意
この分類には学習塾だけでなく習い事教室が広く含まれ、教室の規模や質は反映されません(大手予備校も個人のピアノ教室も1軒は1軒)。データは2021年時点で、その後の開業・閉業は含みません。徒歩圏は直線距離約1kmの機械的な集計です。「1教室あたりの人数」は開業チャンスマップの住宅需要チャンス指標と同じ考え方で、業種を「学習塾・教室」に切り替えると、お住まいの町の数字を確認できます。
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- 武蔵小杉の保育園に空きはある?——19園中13園に空きあり。ただし0〜2歳は7人分だけ川崎市公表の受入可能数(2026年9月入所分)から武蔵小杉エリアを抜き出して集計。19園中13園・合計56人分の空きがあるが、0〜2歳は7人分・0歳は0人分。区別の0〜2歳の空きは高津区168人分〜多摩区13人分。
出典と注意
注意: 本記事は市の公式情報ではありません。事業所数は2021年時点。出店・教室選びの判断は現地確認とあわせてください。