コラム防災

9月1日は防災の日。川崎の避難場所は「災害の種類」で変わる——地震187・水害174・土砂95

2026年8月11日 | データ: 国土交通省 不動産情報ライブラリ・国土地理院・川崎市各区公式ページ

9月1日は防災の日。1923年9月1日の関東大震災にちなんで定められました。川崎にとっても他人事ではありません。国土地理院の地図に載る川崎市内で唯一の自然災害伝承碑は、関東大震災で殉職した日本鋼管の従業員43名を悼む碑(川崎区渡田・成就院の「殉職者之碑」)です。103年前のあの日は、川崎のまちにも確かに爪痕を残しました。

その防災の日を前に、データで1つだけ点検してほしいことがあります。「いつもの避難場所」は、どの災害でも使えるとは限らない——という話です。

点検1: 避難場所は「災害の種類」で変わる

川崎市内の指定緊急避難場所は187か所。ただし国の公開データでは、避難場所ごとに「どの災害に対応するか」のフラグが付いています。集計するとこうなります。

そなえる災害対応する避難場所187か所に対して
地震187か所すべて対応
水害(洪水・内水氾濫)174か所13か所は水害に非対応
土砂災害95か所92か所は土砂災害に非対応

地震のときに使える避難場所でも、水害では13か所、土砂災害では約半数の92か所が対応外です。「避難場所は1つ覚えておけばいい」と思っていると、当日に行き先を間違えます。かわさき水害そなえマップでは「そなえる災害」を切り替えると、災害別の対応避難場所と、お住まいの町からの徒歩目安が確認できます。

対応外の中身を見ると、この数字の意味がよく分かります。水害に対応しない13か所は、多摩川河川敷・等々力緑地・大師公園など、すべて公園・緑地・河川敷。地震のときは広くて安全な避難場所が、水害のときはむしろ近づいてはいけない場所になります。一方、土砂災害の対応外92か所の大半は川崎区・幸区・中原区の平地の学校です。これは危険だからではなく、もともと土砂災害の危険箇所が少ない地形のため、土砂災害の逃げ先として指定する必要がないから。「対応外=危険」ではなく、災害ごとに逃げ先の地図そのものが変わる——というのがこのデータの読み方です。

点検2: 水の備え——土のうの最寄りは区によって事情が違う

9月は台風シーズンでもあります。大雨の前に無料で持ち出せる土のうステーションは市内46か所ありますが、宮前区16か所に対して幸区1か所、麻生区は常設なし(区役所道路公園センターの配布制)と、区によって事情がまったく違います。2025年9月11日の豪雨で有馬川周辺などが浸水した後に増設が進んだ経緯は、別のコラムで詳しく書きました。晴れている日に最寄りの1か所を確認しておいてください。

点検3: 逃げるタイミング——警戒レベル4までに全員避難

避難情報は5段階の警戒レベルで発表され、レベル4(避難指示)までに全員避難が原則です(内閣府ガイドライン)。レベル5(緊急安全確保)は「すでに安全な避難ができない状況」を意味します。場所とあわせて、家族で「どのレベルで動くか」を決めておくのが防災の日の宿題です。

きょうやることは3つだけ

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出典と注意

出典: 国土交通省 不動産情報ライブラリ XGT001(指定緊急避難場所・災害種別フラグ)/国土地理院 自然災害伝承碑(2026年6月25日版)/川崎市各区公式ページ(土のうステーション・2026年7月時点)/内閣府 避難情報に関するガイドライン。
注意: 本記事は市の公式情報ではありません。避難場所の指定・対応災害は変わることがあります。実際の避難の判断は川崎市の防災情報に従ってください。
水害そなえマップで災害別の避難場所を確認する